「ポータブル分光ゴニオフォトメーター」~物質のアピアランスの数値化~
分光イメージングユニットに光ファイバによる特殊光学系をカスタマイズ応用事例として「ポータブル分光ゴニオフォトメータ」を紹介します。
分光ゴニオフォトメータとは、物質の光学的反射状況を測定することでその物質のアピアランス(見え)を定量化する装置であり、質感が重要な分野、例えば、化粧品や新規素材の開発などに需要のある機器です。
しかし、現在主流である据置型のゴニオフォトメータはサンプルを機器内に設置するため、サンプルの裁断が必要となることが多です。
そこで弊社では、分光イメージングユニットを利用して、サンプルを非破壊・非侵襲で測定できるハンディタイプのゴニオフォトメータを開発しました。
右記の模式図のように、光源からサンプルに45°の角度から光が照射されます。
このときの反射光を10~170°に渡って5°毎、合計33ポイントにて受光するように光ファイバが設置されています。
これによってサンプルの表面反射光の各角度における強度と分光情報が得られるので、サンプルの表面反射特性を調べることができます。
●特徴
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- 非破壊
- ハンディタイプ
- 表面の反射特性の数値化
●用途
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- 質感・アピアランス(見え)の評価
- 新規素材の開発
■測定例:木材のコートの有無による表面反射の違い
同じ木材を、コート剤未処理およびコート剤処理済の状態(右画像)にて、ポータブルゴニオフォトメータによって測定しました。
取得した2つのグラフをくらべると、コート済み木材の方がより135°付近が強く反射されていることがわかります。
このことからコート剤を塗ることで鏡面反射が強い、ツヤのある質感になることがわかりました。
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