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半透明物質の非破壊・非侵襲での光学特性の測定
分光イメージングユニットに光ファイバによる特殊光学系をカスタマイズした応用事例の1つとして空間分解分光方式測定器の紹介をします。
空間分解分光法[Spatially Resolved Spectroscopy(SRS)]を光学系に用いることで、半透明サンプルの分光情報から、散乱係数および吸収係数を算出する機器です。
接続する分光イメージングユニットは、可視域のものと近赤外領域のものとを選ぶことができます。
半透明物質の透明性や内部の色素の情報や、近赤外の分光イメージングユニットを用いれば分子振動の情報を、非破壊・非侵襲で取得することができます。
社内での肌の透明度および肌の色の見えの研究に活用している他、木材の樹種研究への採用実績があります。
◯特徴
- 非破壊・非侵襲
- 半透明物質の測定
- 散乱係数と吸収係数の測定
◯用途
- 生体・皮膚の測定
- 農作物の測定
- 木材・石材・プラスティック・ガラスの測定
◯専用ソフト付
測定を実施すると、測定値と同時に散乱係数と吸収係数を算出できます。
■空間分解分光法[Spatially Resolved Spectroscopy]とは
半透明体に、1点から光を直接入射させたとき、半透明体内部では時間とともに光が拡散する。
この情報を一般式化したもの光の拡散方程式である。
これを用いて、半透明体の散乱係数と吸収係数を求める手法を空間分解分光法(Spatially Resolved Spectroscopy, SRS)という。
半透明体サンプルに光を直接接して入射し、入射光からの距離が異なる複数のポイントにて、サンプル内部からの反射光の分光情報を取得する。
すると、空間的に異なる複数の分光情報を同時に取得できる。
この値を拡散方程式に代入、この連立方程式を解くことで、半透明サンプルの散乱係数と吸収係数を求めることができる。
発明研究奨励金交付
本開発は、公益財団法人 日本発明振興協会によって行われている第41回 発明研究奨励金交付(2021年)に選ばれました。
交付された奨励金によって専用ソフトを開発しました。
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